喫茶店も「飲食店営業許可」が必要!
法改正のポイントは?営業はどうなる?

これから喫茶店を開業する方は、「喫茶店営業」ではなく「飲食店営業」の許可が必要です。「飲食店」と「喫茶店」は食品衛生法によって区分されていましたが、2021年の法改正により「喫茶店営業」という業種の区分がなくなりました。これにより、現在「喫茶店営業」の許可で営業しているお店は、新たに営業許可の取得が必要となる場合があります。こちらでは、法改正によって変更されたポイントをわかりやすく解説します。

そもそも「飲食店営業」と「喫茶店営業」の違いは?

そもそも「飲食店営業」と「喫茶店営業」にはどのような違いがあるのでしょうか。これはお店の名前ではなく、提供する飲食物の違いによって区分されているものです。

 

改正前の食品衛生法による「飲食店営業」の定義は、【一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェ、バー、キャバレーその他食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業をいい、次号に該当する営業を除く】としていました。その次号に当たるのが「喫茶店営業」で、【喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業をいう】と定義されていました。

 

飲食店営業の場合、提供する飲食物に制限はありません。対して喫茶店営業で提供できるのは、アルコール以外の飲み物と茶菓に限定されており、それ以上のサービスを提供するには飲食店営業許可がなければできませんでした。

 

喫茶店営業の範囲で提供できるのは、ビスケットやクッキーなど調理が不要なものに限られ、パスタやサンドイッチなどの調理が必要な飲食物を提供することはできません。飲食物が食中毒などで人体に多大な影響を及ぼす可能性があることから、このように区分されていたのです。

「飲食店営業」の新制度で何が変わった?

2021年(令和3年)6月1日に改正食品衛生法が施行され、これまで分けられていた「飲食店営業許可」と「喫茶店営業許可」が飲食店営業許可に統合されました。大きく変わったポイントは次の2つです。

■営業許可業種の見直し

食品を取り扱う業種は、飲食店営業、そうざい製造業、菓子製造業、食肉販売業など34業種に分類されていましたが、食中毒などのリスクを踏まえ、法改正により32業種に見直されました。

・参照

食品衛生法の改正について(厚生労働省)

営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報(厚生労働省)

■HACCPの完全義務化

原則としてすべての食品等事業者に、一般衛生管理に加えて「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理の実施が義務付けられました。HACCPとは、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字を合わせたものです。原材料の入荷から製品の出荷までの全工程において、危険要因を分析し、危険を防ぐ衛生計画を立てて実行・記録する衛生管理方法です。これにより衛生管理の基準が厳しくなります。

参照:HACCPに沿った衛生管理の制度化について(厚生労働省)

「喫茶店営業」の許可しかない店舗はどうなる?

改正食品衛生法の施行時点で、既に営業を行っている喫茶店は、すぐに手続きを行う必要があるわけではありません。営業許可制度には、新規許可の申請を猶予するなどの経過措置がとられています。従来の営業許可の有効期限内であれば、新規に許可を取得しなくても営業することは可能です。ただし経過措置の期間中は、従来の喫茶店の範囲内のサービスしか提供できない点に注意が必要です。営業許可業種が「飲食店営業」に統合されたからといって、喫茶店営業許可を受けた喫茶店が、アルコールや調理が必要なメニューを提供できるわけではありません。「喫茶店営業」で開業した店舗が料理やアルコールを提供するには、「飲食店営業」の許可を取得する必要があります。「飲食店営業」の許可は、「喫茶店営業」の許可よりも厳格な施設基準が求められます。都道府県によって基準は異なりますが、下記のような設備要件が定められています。

  • シンクが2つ以上ある

  • 換気設備がある

  • 温度計を備えた冷蔵庫がある

  • トイレ内に手洗い場所が必要

  • 調理上に消毒装置付きの手洗い場がある など

施設基準を満たすには店舗の改装工事が必要となる場合があります。営業許可取得のハードルは上がりますが、許可を取得すれば、店舗ではより幅広いサービスが実現できるでしょう。

飲食店の営業許可に関するコラム

 

初めての飲食店営業許可申請・更新手続きは行政書士にお任せください

食品衛生法の改正により、これまで分けられていた飲食店営業許可と喫茶店営業許可は、飲食店営業許可に統合されました。経過措置によって、既に営業している喫茶店は許可期限まではそのまま営業できます。

 

ただし、喫茶店営業で開業した店が料理やアルコールを提供するには、喫茶店営業許可への切り替えが必要です。名古屋周辺で飲食店営業許可申請が必要な方、許可・届出などの更新が必要な方は、おおみ行政書士事務所までご相談ください。飲食店・喫茶店の営業許可取得に強い行政書士が、スムーズに許可を取得できるよう全力で対応させていただきます。