どうしても離婚したい場合
更新日:2022年7月20日
相手が離婚に応じてくれないとき
夫婦の一方が離婚したいと思っていても、相手が「離婚は絶対にしない」という場合があります。
この場合、離婚に関して話をすることもできない状況になっていると思います。
不貞があった等民法で定められた原因(後述)の場合は、離婚裁判を行えば離婚が認められますが、それらの原因がない場合には、裁判で認められることは困難です。
では、なんとかして離婚することはできないものでしょうか・・・
結論から言いますと、別居することです。
期間としては、1〜2年では足りなくて、5年以上は別居し続けることが必要です。
別居が長期間続いている状態は、「婚姻関係が破綻」していると見做されるからです。
共働きでしたら、賃貸物件を借りるなどして生活することになりますが、専業主婦・パートの場合には、婚姻費用の請求を申立てるなどして、生活費を工面します。
相手が「離婚は絶対にしない」というケースだと、調停もまとまらないでしょうし、最終的に裁判によることになるでしょう。
裁判で離婚が認められるには、民法で定められた原因がなければなりませんが、長期間の別居は離婚の原因(法定離婚事由)として認められています。
ただしこのケースの別居が離婚原因と認められるためには、別居に至る原因が相手になければなりません。
例えば、相手のDVを苦にして、別居した場合などです。
逆に、自分が不貞行為(不倫など)を行なっておきながら、別居に及んだというようなときには、長期間別居の事実があったとしても離婚原因とは認められない可能性が高いです。
【前提知識】
離婚には交渉の過程によって段階があり、通常次の順番で進みます
①話合い➡︎②調停➡︎(③審判)➡︎④裁判
ふたりの話合いで離婚が合意できれば①で離婚が成立させられます(離婚する夫婦の9割はこの「協議離婚」です)
■ 話合い 当事者同士で話し合う。(協議離婚)
■ 家庭裁判所の調停 話合いがまとまらない場合、家庭裁判所に家事調停を申立てることによって、調停委員会が間に入って話合う。強制力は無い。(調停離婚)
■ 家庭裁判所の審判 調停で合意できなかった場合、裁判所が下す独自の判断。2週間以内に異議申しあってすれば効力は無くなる。(審判離婚)
■ 家庭裁判所の裁判 話合いもできない、調停も不調で、審判も確定しないとなったときは裁判をを起こすしかありません。(裁判離婚)
婚姻費用とは
簡単に言うと、別居した時に相手に請求できる生活費のことです。
別居していても夫婦である以上、互いに扶養する義務があるからです。
支払いを求める方法は、話合いまたは家庭裁判所の調停・審判申立てのいずれかです。
家庭裁判所に申立書の雛形が備え付けられているので、自分で手続きできます。
調停では、調停委員を交えて合意に向けて相手と話合いを行います。
調停でまとまらなかったときは、裁判所が判断して(審判)金額が決められます。
法律で認められている離婚の原因は次の通りです。
夫婦の話合い(協議)で離婚するときはどんな理由でも構いません。
しかし、裁判で離婚する場合に認められる離婚の原因は次のとおり法律(民法770条1項)で決められています。
・不貞な行為があったとき
・悪意で遺棄されたとき
・三年以上生死が不明なとき
・強度の精神病で回復の見込みがないとき
・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(別居はここに含まれます)
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